03/04/28
■ 細菌検査では帽子をかぶる
【質問】
 上司に「菌検査をする際は帽子をかぶるよう」に指示されました。近くの同業者も帽子をかぶっていないのですが, 菌検査の際は帽子を着用する必要があるのでしょうか??? 上司が申すには, テレビではよく帽子をかぶって検査をしているから, ということですが・・・よろしくお願い致します。

【回答】
 作業内容によります。確かに頭皮, 髪は無菌状態ではないので, 細菌の付着したフケや髪が培地上に落ちて来る可能性は少ないながらあります。しかし私達, 病院の検査室で働く環境では, 患者さんから採取された尿や喀痰にフケや髪に付着した細菌が混入しても直ちに識別できますので, 特に帽子をかぶることを義務付けていません。でも特殊な環境, 例えば培地を製産している工場とか, 細菌が混入してはならない食品工場, はてはゴミの付着が問題になるICチップ工場などでは帽子をかぶります。工場でなくても, ひとつでも, どんな種類の細菌でもいいから見つけたいといった状況 (例えば, 月の石に付着した細菌をみつける) では当然, 帽子をかぶります。従って, 作業内容が帽子をかぶる, かぶらないでもいいという判断の分かれ道です。帽子には, 検査対象物に細菌を混入させないという以外に, 細菌を取り扱うヒトを守るという目的 (SARSなど) もあります。

(琉球大学・山根 誠久)

[戻る]