|
【質問】
私は工業系の高校の学生です。3年生なので, 卒業研究で酵母を題材とした研究を行いました。そこで疑問に思ったことがあります。まず,
液体培地と固体培地の違いを教えて下さい。私は教師にいわれ, 固体培地を使ったのですが,
液体培地ではだめなのでしょうか??? それと, 酵母かどうかを調べる試験方法をいくつか教えていただけないでしょうか???
お願いします。
【回答】
最初の質問, 固体 (固形) 培地と液体培地の違いですが, 培地が固体なのか,
液体なのか, 培地に寒天 (栄養源ではない) が入っているか, いないかの違いだけです。見れば直ぐに分かるはずです。酵母は固体,
液体, いずれの培地でも発育できます。目的によって, 使う培地の種類を決めます。酵母を含む試料を極少量,
固体の培地に塗り広げ, 培養すると培地の表面に丸い菌集落が観察できますが,
このひとつの集落は元々はたったひとつの酵母細胞に由来するものです。固体の培地は,
このように, 混じり気のない, たったひとつの酵母細胞を増やしたい, 分離したい時に使います(分離培養)。液体培地では,
酵母が発育してくると培地が濁ってきますが, ひとつ, ひとつの酵母細胞をそのままでは分離することができません。単に酵母を増やすことができる培地です(増菌培養)。細菌学の領域では,
常に混じり気のない細胞集団を取り扱いますので, 固体培地でひとつの菌集落を分離し,
さらにその細胞を増やしたい時に液体培地を使います。
酵母かどうかを調べる最も簡単な方法は, 光学顕微鏡で観察することです。細菌と比べ,
酵母ははるかに大きい細胞です。細菌の観察には1,000倍の拡大が必要ですが,
酵母は400倍の拡大率でも観察できます。ほとんどの酵母はほぼ球形で, 芽を出して増えますから,
ウィンナー・ソーセージのように連なって観察されることもあります。
(琉球大学・山根 誠久)
【質問者からのお礼】
卒業研究のものです。回答をくださり本当に有り難うございました。これで卒業研究のレポートを完璧にすることができます。ありがとうございました。
[戻る]
|