02/01/10
■ 抗菌活性のスクリーニング法について
【質問】
 微生物発酵液より得られた生理活性物質の抗菌力を, 薬理実験との結果と合わせて検討を行おうとしています。そのような場合, 供試サンプルをペーパーディスクに浸し, 乾燥させたものを菌液の混釈された, あるいは塗沫された寒天プレート上に置いて培養を行っているのですが, 菌量が多すぎたり少なすぎたり, 阻止円が不鮮明であるなど, 非常に苦労しています。何か良い方法はあるでしょうか??? サンプル数は1日に何種類もあったり, 結晶性物質に至っては非常にサンプル量が少なく, MIC等の試験はできないことがほとんどです。また, 細菌だけでなく真菌 (例えばカンジダ, アスペルギルス) といった物に対する抗菌力も確認したいのですが, 菌液の調製に手間取っています。何かよい方法があれば教えて頂きたいのでよろしくお願い致します。

【回答】
 未知物質の抗菌力測定については, ペーパーディスクでなく金属のカップを用いた標準法による方法が再現性の良い成績が得られます。また, 薬剤感受性検査に用いる菌液の調整は, 臨床検査領域においても均一になりにくく苦慮しているのが現状であります。特に結核菌は通常の水溶液への懸濁が困難で磨砕フラスコに菌塊とガラス玉を入れ, すりつぶして滅菌水を加え菌液としています。菌液の濁度を一定にする方法としては, 光電比色計や標準濁度液を用います。一般細菌や酵母用真菌に対してはMcFarlandの標準濁度液が多く用いられていますが, アスペルギルスの様な糸状菌に対しては, 日常検査としては実施されていません。

(愛媛大学・村瀬 光春)

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