■ 抗菌力試験に用いる培地について | |
【質問】
職場で抗菌力試験を行っています。抗菌力試験の方法は, プラスチックプレート (JIS Z2801) を使用し, 接種菌の前培養は普通寒天培地, 試料と一定時間作用させた後の洗い出し液の生菌数測定には標準寒天培地を使用し, 繊維製品 (JIS L1902) には主にニュートリエント培地を使用しています。これらの培地の使い分けはどのような理由で使い分けているのでしょうか??? また, 全部, 同じ培地に統一した場合, 試験結果が大きく変わるのでしょうか??? 【回答】
細菌を培養して, なにか試験を行う場合, “どんな細菌を対象にして試験するのか”, まず明確にしてから用いる培地や培養条件を決めます。対象とする細菌が充分に発育することがまず必要ですし, 対象としない細菌が発育し難いことが望ましいでしょう。また抗菌力試験では, 試験する対象物の抗菌力が培地成分で阻害されないことも必要です。試験を実施する前に, これらのことを充分考えて計画を立案するのが手順です。すべての細菌をひとつの培地で, ひとつの培養条件で発育させることは現在でも不可能なことですから。 (琉球大学・山根 誠久)
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