■ 抗酸菌検査の検体保存について | |
【質問】
検査センターに勤め, PCR検査を担当しているものです。 先日, 病院様から「当病院の“TB MAC PCR”の検体は全量処理せず, 1週間ほど生検体を保存し, 必要なときに検体返却していただきたい」と要望を受けました。検体を1週間保存し, 返却することに問題はないのか教えてください。 当センターでは, “TB MAC PCR“検査は輸送や仕分け時の事故などで起こるコンタミネーションを避けるため, 他検査との同時依頼は不可とし, 検出率を上げるために提出される喀痰 (その他の材料も含む) は全量NALC処理し, PCR検査を行っています。 → 生検体を保存し, 場合によっては返却すると言うことは, おそらく再検査や追加検査で使用されるのではと思いますが, この場合, 冷蔵1週間保存した検体を使用して検体の変質などの点で問題はないのでしょうか??? → 問題がない検査がある場合は, どのような検査が考えられますか??? → 逆に, 病院様の検査室で検体を分け, 保存するのは一般的に難しいことなのでしょうか??? 保存後の検体の使用や結果についてトラブルがあるのも心配ですし, 保存スペースにも限界があり, お断りしたいのですが, 本当に必要とする場合があるのなら, お断りすべきではないのではと悩んでいます。御回答のほどよろしくお願いします。 【回答】
すべての検査に問題が生じてきますので, 生検体での再検査や追加検査は行わない方が得策です。また, 患者検体を塗抹・培養検査用とPCR検査用の2つに分ける必要性はないと思います。患者さんが2回に分けて喀痰を採取された時, ふたつの喀痰の品質が違うかもしれませんので, ひとつの検体を一括してNALC処理し, PCR検査, 塗抹及び培養検査を一連の流れとして行うことを薦めます。NALC処理検体は?80℃で凍結保存できますので, 後で検索する時にも良いかと思います。質問にあります, 小さい病院検査室で抗酸菌検査用検体を分けることは危険性が高く, 業務感染対策上からも行わない方がいいと思います。この点, 検査結果の精度上, 問題となる可能性があることを十分病院に理解していただくことも重要と思われます。 (国立都城病院・齊藤 宏)
【質問者からのお礼】
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