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【質問】
食物栄養学科のある大学に進もうと思っている高校3年生です。大学の食品衛生学の講義を受けに行ったところ,微生物の実験をしたのですが,そこで『巨大菌(Bacillus
megaterium)』について調べて来なさいといわれました。図書館などで, 細菌や微生物の本を探したのですがまったく見付からず,
困っています。どのようなことでも良いので教えて下さい。お願いします。
【回答】
“Bacillus megaterium” という細菌は正しく巨大な細菌です。病原菌のなかで最大とされる炭疽菌に匹敵する大きさをもち,
ひとつの菌体が2〜6μm×1.2〜1.5μmのグラム染色陽性の桿菌 (棒状の形) です。1884年,
de Bary という細菌学者が“ゆでたキャベツの葉”にいるのを発見し, 最初に報告しました。埃,
土壌, 空気, 水, ミルクなど, 自然界に広く分布していますが, ヒトに対する病原性は報告されていません。しかしhemolysin
という赤血球を溶血させる毒素を産生し, これをマウスやモルモットに注射すると致死的効果があります。
文献
Bary, H.A. de (1884): “Vergleichende Morphologie und Biologie der
Pilze Mycetozoen, und Bakterien.” Leipzig.
(琉球大学・山根 誠久)
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