03/07/01
■ 強酸性水での創部の消毒効果は???
【質問】
 内科・消化器科で外来の看護婦をしています。強酸性水について伺いたいと思います。当院では, 内視鏡の洗浄と皮膚の消毒に強酸性水を使用してます。内視鏡の洗浄について, 強酸性水を使用することは適応であると言われていますが, “創部の消毒効果はどうでしょうか???”当院では, 切り傷, 熱傷, 褥そうなどなど, 色々な場面で強酸性水を使用してます。創部への使用方法は, ボトルに入れ, 直接創部へかけ, 洗い流す様な方法です。体液や血液などが付着していると, 消毒効果が失活すると聞いたことがありますが, この場合, 消毒効果はどの程度期待できるのでしょうか??? また消毒効果が失活すると“ただの塩水となってしまうので, 傷がしみる”という話も聞きましたが事実ですか???
よろしくお願いします。

【回答】
 強酸性水による創部の消毒については賛否両論がありますが, 私どもの経験ではかなり効果があり, 基本的に推奨できます。酸性水の宿命として蛋白などにより失活するのは致し方ないことですが, 強酸性水で何度か洗浄することで解決できると考えます。あえて申し上げれば, 酸性水で洗浄後, 最後に生理食塩水で洗い流してはいかがでしょうか。なお, 塩分のみが残存すると“傷がしみる”こともあり得るかと思いますが, 塩素成分による人体への障害はないと考えます。

 (NTT東日本関東病院・岡田 淳)

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