■ 気道内吸引手技の細菌学的評価 | |
【質問】
はじめまして, こんにちは。私は看護師ですが, 今回院内で気道内吸引の手技の見直しをしています。その吸引手技方法を変えても感染が増えない, もしくは変わらないと仮定して, 培養をとって評価したいのですが, 何をどのように培養検査したらよいのでしょうか。よろしくお願いします。 【回答】
〔材料の液状化〕
〔定性的培養方法〕
・結果の解釈と評価: 1晩培養して, 塗布した部分に観察される凡その細菌コロニー数を判定します。この場合, コロニー数は材料中に含まれる細菌の濃度が多い程, たくさんのコロニーが作られますが, 材料を塗布した時の白金耳を動かすスピードによって, コロニー数を数えることが困難になる場合もありますので, 一人の人ができるだけ, いつも同じスピードで塗布するのが良いです。 〔定量的培養方法〕
・結果の解釈と評価: 寒天培地に観察されるコロニーの数を数えます。その材料の希釈倍数と寒天培地に接種した材料の量から, 元々の材料に含まれていた細菌の濃度 (個/ml) が計算できます。 最後にご質問にありました, 感染が増加しない, または変動しないとの仮定についてですが, 感染症診断での解釈, 評価には材料に含まれる細菌の濃度で評価することも重要ですが, それだけでは充分な評価になりません。特に, 今回検査する対象となる気管吸引材料には口腔内の各種の常在菌, 気管切開した患者では緑膿菌などのブドウ糖非発酵菌が定着しやすい状況にあります。感染の増加という評価より, 吸引方法の変更による吸引物のなかの菌濃度の変化として理解されてはいかがでしょうか。 (琉球大学・仲宗根 勇)
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