04/01/21
■ 食品検査でのリステリアの分離培養
【質問】
 突然のメールで恐縮です。私は食品検査センターに勤務するものですが, リステリアの検査方法についてお伺いします。リステリアの検査については, 食品衛生検査指針やFDAの方法などがあり, 前増菌, 選択増菌, 分離が基本になるかと思いますが, どのような培地の組み合わせがよいのか今一つわかりません。当方では主に生食用魚介類や青果物, 加工食品を検査しております。どうかご回答よろしくお願いします。

【回答】
 ISO 11290-1 (1996年) の方法を採用してみたらいかがでしょうか。検体25 gramをストマッカ−袋に取り, Half Fraser broth 225 mlを加え, 1〜2分間ストマッキングします。30℃, 24時間放置した後, その0.1 mlをFraser broth 10 mlに接種し, 35℃〜37℃で48時間培養します。1白金耳をOxford培地とPALCAM培地に塗抹し, 30℃〜37℃で24〜48時間培養し, エスクリン分解 (濃い茶褐色) のコロニ−を5個釣菌し, 6%酵母エキス加トリプトソイ寒天培地に塗抹して純培養します。35℃〜37℃で18〜24時間培養した後, 同定を行います (グラム陽性の短桿菌, VP陽性, ラムノ−ス分解, 運動性ありなど, その詳細は成書を参考にしてください)。

 近年, 酵素基質含有培地が発売されています。クロモアガ−社のCHROM agar ListeriaやBiosynth社のBCM Listeria monocytogenes Plating Mediumがあります。また, イムノクロマト法を用いたリステリア迅速テストキット (OXOID) が関東化学から発売されています。増菌培養後のスクリ−ニング法としては有用と考えられます。

(日水製薬・小高 秀正)


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