04/07/14
■ 多剤耐性緑膿菌 (MDRP) としての報告
【質問】
 いつも勉強させていただき, ありがとうございます。

 P. aeruginosa以外のPseudomonas属で, IMP, AMK, CPFXに耐性の場合, 報告書には, 例えばfluorescensならP. fluorescensとだけ記載すればよいのでしょうか??? 基本的なところで申し訳ありませんが, MDRPの定義はあくまでP. aeruginosaだとは思うのですが, それでは他のPseudomonasで耐性の場合, 例え ば報告書への記載や感染症委員会への報告など, どのように対処したらよいのでしょうか???

 基本的なところで申し訳ありませんが, お教えいただけたら幸いです。よろしくお願いします。

【回答】
 多剤耐性緑膿菌以外のPseudomonas属でのIPM, AMK, CPFX耐性の報告は, 菌種名と薬剤感受性成績の記載でよいと考えます。これら3薬剤に対する耐性の結果は, 感染症新法に「薬剤耐性緑膿菌感染症」の検査室での判定基準としてあるものであり, 他の菌種まで拡大することは, 現在, 専門学会でも意見の一致が得られていないように思います。

 検査室としての重要な役割としては, 臨床材料から実際にどれくらいの割合でこのような耐性Pseudomonas属が検出されているかを調べることが必要と考えます。多剤耐性緑膿菌と同じような耐性機構で拡散しているのか, 是非知りたいところです。もしこれらの耐性菌が数多く検出されるようであれば, 注意を喚起することが必要であり, 感染症委員会への報告とともに, 是非学会発表をされることを期待いたします。
 

(愛媛大学・村瀬 光春)

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