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【質問】
メタロ-β-ラクタマーゼについてご質問します。日常よくStenotrophomonas
maltophilia が分離されますが, KBディスク法でCAZが“S”, CPZも“S”, IPMのみが“R”でした。SMA
(栄研化学) による確認試験でIPMに5 mm以上の阻止帯ができました。この場合は,
メタロ-βラクタマーゼ産性株と言えるのでしょうか??? もしそうであれば, CAZ,
CPZの判定は“R”とすべきなんでしょうか??? よろしくお願いします。
【回答】
Stenotrophomonas maltophilia は染色体上にメタロ-β-ラクタマーゼ産生遺伝子L-1を持っています。したがってSMA
(メルカプト酢酸ナトリウム) による確認試験では陽性と判定されますが, 染色体上にすべての株が保有していると思われますので,
セラチアや緑膿菌のように特別メタロ-β-ラクタマーゼ産生株とする必要はないと考えます。
S. maltophilia の薬剤感受性での特徴はCAZよりIPMの方が耐性が強いということです。臨床分離株の中には,
IPMで“R”, CAZで“S”という株が存在しますが, これはメタロ-β-ラクタマーゼの産生量が少ないことが推察され,
耐性と考えた方が良いと思われます。現在のところS. maltophilia に対する判定基準がありませんので,
IPMが耐性の場合はCAZなども耐性と考えます。
(愛媛大学・村瀬 光春)
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