02/10/04
■ 結核およびMRSA保菌者の訪問入浴
【質問】
 訪問入浴をしているヘルパーです。
 83歳女性, 今年の2月に結核と診断され, その後 MRSA 1+といわれたと言います。今回訪問入浴を開始するに当たり, 使用する器具の消毒や, ヘルパーが注意しなければいけない事柄を教えて下さい。他の方の訪問入浴も行っているので, 浴槽は変えるようにしましたが, その他の器具 (シャワーの先や滑らないようにマットを敷いている) などは変えた方がいいのですか??? またヘルパーへの感染などはないのでしょうか???

【回答】
 質問にお答えします。
 83歳の女性で, 今年の2月に結核と診断されており, さらにこの方からは, MRSAが検出されている。さて, 訪問入浴での器具の使用法や感染の危険について。

 最も問題になるのは結核です。開放性結核 (喀痰から結核菌が検出されている) であれば, 感染する危険があるので, 注意が必要。病弱者はとくに感染しやすいので, 共同浴室での入浴は禁止をする。非開放性結核で, 抗結核剤を服用し, 管理医師により治療を受けているのであれば, 感染の危険は少ないので, さほど問題にしなくても良いので, 共同浴室の使用も可能です。

 MRSA 1+ とありますが, どこから (喀痰, 尿, 分泌物など) MRSAが検出されましたか??? また, 持続してMRSAが検出されていますか。現在もMRSAが検出されていれば, 入浴後は浴槽を熱湯で十分に洗い, 加熱消毒する。シャワーのホースとその先も使用後はよく水で洗浄する。マットは共有すると危険です。マットを使用しない。使用する場合には患者専用のものを。また, 使用後もマットは十分に水で洗い, 天日で十分に乾燥して下さい。MRSAは太陽の紫外線に極めて弱い。MRSAのみでは, 健康で日常活動ができるヘルパーの方には感染しません。しかし, 結核は要注意です。

(近畿大学・古田 格)

[戻る]