■ 粘性のある菌の「劉の反応」について | |
【質問】
乳業会社に勤めるものです。微生物検査の実務・指導などに携わっています。 グラム染色性を確認する方法である「劉の反応」について, こちらの質問箱に何点か質問がありましたが, もう一点質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 水酸化カリウム法においては, 菌自体に粘性がある場合でも問題なく判定できるものなのでしょうか。粘性を持つグラム陽性菌 (芽胞菌) を用いて水酸化カリウム法を実施した際に粘性が消えず, 判定に窮した経験があります。方法としては, 1滴の3%水酸化カリウムに1白金耳を混ぜているだけなのですが, なにか方法が悪いのでしょうか。水と混ぜて粘性を消すという方法も考えたのですが, この方法だとグラム陰性菌 (粘性のあるもの) であっても粘性が出ず, また困ってしまいました (菌濃度が薄いようです)。「劉の反応」は, このような粘性のある菌には適応できない方法ということであれば, それはそれで納得できるのですが。 ご教示いただきたく, よろしくお願い申し上げます。 【回答】
(大手前病院・山中 喜代治) |