04/01/16
■ ノカルジアの薬剤感受性試験について
【質問】
 NCCLSでノカルジアの感受性の基準ができたとききました。詳しく教えていただきたいのですが・・・。

【回答】
 2003年4月に, National Committee for Clinical laboratory Standards (NCCLS) が刊行したM24-A, 「Susceptibility Testing of Mycobacteria, Nocardiae, and Other Aerobic Actinomycetes」にノカルジアを対象とする薬剤感受性試験の方法が“approved standard”として掲載されました。ノカルジアに関しては, 6 Susceptibility Testing of Aerobic Actinomycetesの項目 (p 32) で記載されています。その概要は;

(1) NCCLS M7に記載された微量液体希釈法 (broth microdilution) を採用する

(2) 接種菌量は, M24-Aに記載されている“迅速発育の非結核性抗酸菌”の方法とまったく同じとする・・・ (最終菌濃度を1.5×10^5 CFU/mlまたは1.5×10^4 per well)

(3) 培養は通常大気, 37±2℃で3日間とする。

 第一選択薬剤 (11剤) と第二選択薬剤 (4剤) については, カテゴリー判定のためのMIC ブレイク・ポイントが提示されています。また, 精度管理用の菌株には, 一般細菌と同じ, Staphylococcus aureus ATCC 29213, Escherichia coli ATCC 35218が指定されています。

 NCCLSについては, 是非原典の資料を入手してみてください。人づてではなく, だれかが和訳したものではなく, 自分で自ら, 本物の勧告を読んでください。下記の方法でNCCLSから, だれでも入手できます。ちなみにM24-Aは105ドル (非会員) です。

電話: 001-1-610-688-1100
Fax: 001-1-610-688-6400
Website: [http://www.nccls.org

(琉球大学・山根 誠久)

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