02/08/14
■ 尿が紫色に着色する・・・何故でしょう???
【質問】
 はじめまして。訪問入浴会社に勤めている看護婦です。留置カテーテル交換後2〜3日でバック内の尿が紫色になる方がいらっしゃいます。何が原因でしょうか? その方の既往は脳梗塞と糖尿病です。
よろしくおねがいいたします

【回答】
 カテーテル導尿患者のバック内の尿が紫色になる現象を“紫色尿バック症候群”と呼び,1978年にBarlowらによって最初に報告されました。

 “紫色尿バック症候群”がおこる原因は,尿中のインジカンという物質が細菌によってインジゴブルー (青色色素) とインジルビン (赤色色素) に分解・生成されることによって起こります。インジゴブルーとインジルビンは本来, 水には溶けませんが,プラスチックやポリマーには溶け込む性質があるので,プラスチック製の尿バックや導尿チューブに沈着することになります。また,その色調は生成されるふたつの物質の比率によって藍色,紫色,ピンク色に変化します。これまでに報告された事例をみますと,回腸導管術後患者や寝たきりの高齢者や障害者に多く,便秘がちで, 水分摂取量も少ないため,尿中インジカンの濃度が高くなるためと思われます。また,留置カテーテルを装着しているため, 尿路感染症も起こしやすいことも誘因と言われています。

[文献]
今井宣子: 紫色尿バック症候群の原因と注意事項. 日本医事新報 No. 3749: 146,1996

(琉球大学・中村 広)

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