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【質問】
感染管理について勉強はじめたばかりの看護婦です。同日にだされた同じ病棟の3人の下痢患者の便培養から緑膿菌が検出されました。この情報から何を考えなければいけないのでしょうか?院内感染を疑うとしたら,
何の追加情報が必要でしょうか?よろしくお願いします。
【回答】
下痢の原因菌としての緑膿菌の役割については, 一般的には解明されていないのが現状です。緑膿菌は腸管内に平素,
無害の細菌として腸管に棲息しうることが知られています。他に下痢を起こした原因菌が検出されていなかったかを確認することが必要です。
緑膿菌を院内における定着菌または拡散している細菌と考えた場合は, まず臨床細菌学的検査による調査を実施します。血清型別や薬剤感受性パターン,
パルスフィールド電気泳動法による分子疫学的検査など, 疫学マーカーの検索により菌株が同一であることの確認をします。同一な菌株であると確認されれば,
共通の医療行為の調査と情報の収集が必要になります。具体的には, 患者の基礎疾患,
臨床経過, 抗菌薬の使用, 主治医, 看護婦, 病床の配置などであり, それらを総合して院内の状況を判断される必要があります。
(愛媛大学・村瀬 光春)
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