■ 乳酸菌について教えてください | |
【質問】
こんにちは。今私は大学院で乳酸菌のことについて研究しています。Lactobacillus rhamnosus という乳酸菌を使って研究しているのですが, “栄養要求性”についてお教えいただけないでしょうか。いろいろな本や論文を調べてみたのですが, あまり詳しく載っていませんでした。“ビタミンおよびアミノ酸の要求量”もお教えいただければ幸いです。また, それらが載っている論文などご存知でしたら, お教え願えないでしょうか。どうぞ宜しくお願い致します。 【回答】
Lactobacillus rhamnosus (Collins et al. 1989) は, 今はやりのprobioticsのLactobacillus GGの研究の進展以来, よく知られるようになった乳酸菌の細菌名ですね。旧名は, Lactobacillus casei ssp. rhamanosusです。従って, Lactobacillus rhamnosus以外に, Lactobacillus GG, Lactobacillus casei ssp. rhamnosusを検索のキー・ワードに加えて調べて下さい。もう調べてありますか??? また, Lactobacillus GGの抗菌物質についての最初の仕事は, 1987年の米国のタフツ大学のSL Gorbach先生の"Antimicrobial substance from a human Lactobacillus strain "というタイトルの論文ですので, その名前から調べるのもいいでしょう。 とにかく, 今の段階で質問の内容について小生がお答えできることは, それがLactobacillus
caseiに昔分類されていたということです。45度で発育することとrhamnoseを利用することなどが,
L. casei ssp. caseiと異なる点です。アミノ酸要求性, ビタミン要求性もL. caseiと類似していると考えられます。分類・同定に関する本である“Bergeyマニュアル 8版
(1974)”は既に見られたと思いますが, 再度その点を確認して下さい。ある程度の情報はありますが,
その情報では不十分ですか??? 今小生の手許にはありませんが, Bergey マニュアル
(1984年版) にも載っていると思います。もっと詳しい情報が欲しいなら, L. rhamnosusに再分類されてからの論文を調べて下さい。その点の記載がなければ,
その後出版された新しいデ−タはないということになります。あなたの研究に必要なら,
自分でアミノ酸要求性を試験しなければならないことになります。
(岐阜大学・渡邉 邦友)
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