02/08/23
■ PCR検査におけるマイクロピペットの使い方
【質問】
 病院の検査室に勤務している検査技師ですが, 今月から細菌のPCR検査を担当することになりました。そこで質問なんですが, マイクロピペットで試薬やサンプルをチューブに入れ, 吹き出す時に泡が立つのですが, この時泡の立ったまま増幅をしてもかまわないのでしょうか? それとも滅菌した白金線などで泡を消したほうがよいのでしょうか? 真に初歩的な質問で恐縮ですが, よろしくご教示ください。

【回答】
 端的にお答え申し上げます。感染症の核酸増幅検査では, サンプル中の病原性微生物を, その1コピ−の核酸から検出することが最終目的です。つまり, 標的核酸そのものを増幅して測定するものですから, 可能なかぎりのコンタミネ−ション (混入) の危険性からの回避が特に重要になります。マイクロピペットのチップを含め, 使用器具は使い捨てにするのは当然ですが, いくら慎重に使用しても発生する“泡”を“滅菌した白金線などで突いて消す”とエアロゾルの発生によるサンプル間のコンタミネ−ションを引き起こすので, このような行為は“禁忌 (行ってはならない)”です。そのためにも, フィルタ−付きチップの使用が推奨されます。

(信州大学・川上 由行)

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