04/08/10
■ 淋菌DNA検査について
【質問】
 当施設では, 性感染症検査を行っております。その中に, 「尿検査による淋菌DNA検査」があるのですが, それに関しての質問です。

(1) 淋菌DNA検査が陽性の場合, 生菌だけでなく死菌も含まれるのでしょうか。
(2) 淋菌DNA検査が陽性であった場合, すぐに治療開始としてもよいのでしょうか。(死菌でも陽性となる場合には, 培養を行ってから治療開始としたほうがよいのでしょうか)

文章が分かりずらく大変申し訳ありませんが, 何卒よろしくお願いいたします。

【回答】
[質問1]
 当然, 死菌も含まれます。

[質問2]
 通常は, 尿道分泌物を検査材料とする場合, 淋菌DNA検査で陽性となれば淋病と判断し, 治療を開始してもよいと考えます。しかしながら, 本法は死菌やコンタミネーション (菌混入) の影響を受けることがあるので, 即断はできません。正確で迅速に診断を下すためには, DNA検査と塗抹検査 (グラム染色) の併用を勧めます。淋菌は取り扱いが悪いと死滅しやすい細菌ですので, DNA検査陽性で培養は陰性となることがあり, 日常検査で問題になっているところです。尿道分泌物の塗抹検査で, グラム陰性双球菌が好中球内に認められたら, 診断は確実になります。

(近畿大学・古田 格)


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