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【質問】
検査センターに勤務している検査技師ですが, 淋菌の検査について2つ質問があります。
第一に, 尿中の淋菌検出方法です。一般に淋菌の検出率は新鮮な検体を用いても低いと言われますが,
もし尿中淋菌の培養, 分離, 同定を行う場合, どのような培地を用いて検出を行えば良いのでしょうか???
第二に, 淋菌の生菌数 (cfu/ml) を求める場合, 一般に行われている培地と方法でよいのでしょうか???
以上, 2つの質問ですが, お忙しい所申し訳ありませんが, よろしくご教示願います。
【回答】
第一の質問については, 淋菌培養の依頼があったときには, 予めThayer-Martin培地,
GC培地などをフラン器で温めておき, 3000 rpm, 20分間の遠心後の沈渣を接種し,
炭酸ガス培養 (5〜10%の炭酸ガス環境下) で48時間培養を行います。チョコレート寒天培地にも発育しますが,
尿道の混在菌も発育するため, 選択培地との併用が薦められています。チョコレート培地上での集落は,
直径0.5〜1 mmで, 灰白色〜半透明です。生化学的性状はオキシダーゼ, カタラーゼ,
hydroxyprolylaminopeptidase, グルコースが陽性で, β-galactosidase, γ-glutamylaminopeptidase,
マルトース, ラクトースが陰性となります。
第二の質問については, 淋菌は菌数 (cfu/ml) にかかわらず常に病原菌であり,
遠心した沈渣を用いて培養を行うので定量培養は必要ないと考えます。
(愛媛大学・宮本 仁志)
【質問者からのお礼】
早速, ご丁寧な質問ありがとうございました。先生のご回答を参考にさせていただき,
検査依頼があったら早急に実施したいと思います。
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