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【質問】
いつも丁寧なご指導, ありがとうございます。私どもの施設でも,
細菌検査の迅速化, 自動化ということで「自動分析器の導入」を検討することになりました。“同定検査,
感受性検査を6時間以内に報告できる分析器”を導入したいと考えています。それぞれ一長一短はあると思いますが,
以下の3点, またそれ以外にも検討のポイントがあればご指導をお願いいたします。
(1) 機器の選択に当たって必ず注意の必要な点
(2) 自動機器を検査の流れに導入するときの注意点
(3) 自動分析器での検査対象になるものの絞込みかたの注意点
自分達の検査運用方法を中心に検討を進めることは必須ですが,
アドバイスをお願いいたします。
【回答】
機器の選択にあたって必ず注意の必要な点
(1) 機器の選択について
なぜ, 自動機器を導入するのか。この点について熟慮する必要があります。現状では微生物検査を自動化する施設が増加していますが,
導入する自動機器の運用法を明確にしておく必要があります。しっかりした使用目的がなければ,
“宝の持ち腐れ”になります。自動機器の導入により, 微生物検査の検査精度の向上は明らかで,
感染症の診断や治療面にも大きく寄与していると考えます。貴施設で自動機器をいれた場合,
どのようなメリットとデメリットがあるかを知っておく必要があります。最も重要なのは採算性ですが,
現状では微生物検査のみでは採算ベ−スにのせるのはなかなか大変であると考えます。そのため,
微生物検査を受注することにより, 他部門の検査依頼件数が増加することが予測されるのであれば,
導入も可能でしょう。この他, 仕事量 (検体数/日), 機器検査能力, ランニングコスト,
他機器との互換性, アフタ−サ−ビスや情報提供, 価格, 耐用年数なども考慮し,
導入の判断材料にするのが良いでしょう。
(2) 流れに導入する時の注意点とありますが, 流れは施設毎に異なっており,
なかなか難しい質問です。検体の多い施設では, 検体処理能力を重視します。また,
ユーザ−への検査情報提供をいかに迅速に行うかも重要です。感染症は刻々と病態が変化していきます。貴施設での人員も考慮し,
効率的なシステムを作って下さい。
(3) 検査対象
民間の検査センタ−であれば, まず採算性が必須です。この立場から,
将来的な検査需要も予測しなければなりません。血液培養の依頼も多いと思われますが,
この場合には自動血液培養装置の導入が以後の作業量の軽減になります。
(近畿大学・古田 格)
【質問者からのお礼】
ご指導, ありがとうございました。ご指導にありましたように「感染」という時間を争う検査であることを念頭に機種の特性を活かした導入ができるよう検討いたします。
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