02/08/21
■ 培地に“紫外線を当てて使用する”ことの可否
【質問】
 化粧品工場で品質管理を担当している者です。コンタミをなくせという命令の下, 色々策を練っているところなのですが, 新しく入った博士課程卒業の人が「滅菌庫で保存すればいい」っと言って聞きません。色々本を見たのですが大体の本では「作成後すぐに使用すること。保存する場合は空気に触れないようにして冷蔵庫で保存」とあります。新しく入った博士の人は「大学で紫外線を当ててから使用したが, 大丈夫だった」といいます。紫外線を当てると乾燥するのでは? それと成分は変質しないのでしょうか? 教えてください。

【回答】
 ご質問の内容がはっきりしませんが, おそらく寒天培地の保存方法とその使用方法に関するものではないかと思われます。多くの細菌検査室では, 滅菌庫なる装置の中では寒天培地の作製はしていません。極力無風の部屋の実験台上でシャーレに滅菌した寒天培地を分注し, 固まったところで孵卵器内でシャーレを反対にひっくり返し (蓋を下にする), 培地表面の余分な水分を乾燥させた後に蓋をして使用します。そしてその保存方法は, 冷蔵庫や薬品庫のような冷暗所で保存し, 使用するときは室温に戻しています。
 “UVをあててから使用”とありますが, 培地表面に直接照射するのか??? どのように照射をするのか不明ですが, 通常は実施していません。

(愛媛大学・村瀬 光春)

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