02/05/01
Stenotrophomonas maltophilia 陽性患者の隔離
【質問】
 よろしくお願いします。
 人工呼吸器患者さんの気管分泌物からStenotrophomonas maltophiliaが検出され, Walkawayでの感受性はミノサイクリン以外はすべて耐性 (R) でした。MRSAも検出され, 気管分泌物を吸引するときに周囲に飛び散るので隔離としています。今回はMRSAもあり, 隔離しましたが, もしStenotrophomonas maltophiliaだけの時は隔離すべきなのでしょうか? また, 肺炎の原因菌と考えられるのですが, 抗生物質はどのようなものが推奨されていますでしょうか? 現在はミノサイクリンを投与中です。

【回答】
 Stenotrophomonas maltophiliaは土壌や汚水に生息する多剤耐性の細菌で, 感染防止目的でβ-ラクタム系薬や抗緑膿菌用アミノグリコシド系薬を長期にわたって使用することにより菌交代現象で検出されることの多い菌です。本菌のみの感染では, それほどの病原性を発揮しないため, 隔離の必要はないと思います。ご質問では肺炎の原因ということですが, 気管チューブの挿入によるコロニゼイションは考えられないでしょうか。その場合は交換する必要があると思われますので, 臨床医に相談されてはいかがでしょうか。治療抗菌薬については, 薬剤感受性試験でミノサイクリン, ST合剤が感受性に判定される場合が多いようです。更にβ-ラクタマーゼ阻害剤と抗緑膿菌用ペニシリンとの併用, S/C, ニューキノロン系薬の併用などが試みられています。

(愛媛大学・村瀬 光春)

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