03/04/04
■ 職員の手指の洗浄・消毒の調査と有効活用について
【質問】
 私どもの病院の院内感染防止委員会で, 今回初めて“職員の手指の洗浄・消毒後の残存細菌調査”をすることになりました。具体的な実施方法, 調査結果の今後への生かし方などをアドバイスいただければ幸いです。

 またこういった調査は院内感染防止において有効性はどの程度のものなのでしょうか??? ちなみに細菌検査は外部に委託しています。

【回答】
 細菌検査を外部に委託されているということは極めて残念なことです。なぜ, 院内感染対策委員会で残存細菌調査するに至ったかは不明ですが, 恐らくMRSA対策でしょう。職員の手指の洗浄・消毒後の残存細菌調査の実施方法と調査結果の活かし方へのアドバイスとあります。

まず, 貴院では職員の手洗いがどれほど徹底されていますか??? 全員の協力が得られれば, MRSAの検出率は減少していくでしょう。調査を行う前に, 手洗いに関するアンケートを行う必要があります。どれほど人が手洗いを励行していますか。実施方法では, 手洗いの種類, 使用消毒剤, 手洗い時間, 採取部位 (指先, 指の間, 手首, 綾指の付け根で手洗いミスを生ずる), 対象者 (医師, 看護士, 技師, その他), 分離菌種などについて調査します。しかしながら, このような調査を行っても, さしたる成果が得られていないのが現状です。さらに, 外部への検査委託ともなれば, 多くの調査費を必要とするでしょう。むしろ, 講習会を行い, 手洗いの励行を徹底させるのが得策と考えます。

(近畿大学・古田 格)

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