■ トリプトソイでの液体培地とは??? | |
【質問】
はじめまして。私は害虫駆除の零細企業に勤務する者です。若干の研修の後に検査関連の現場窓口を行なっている素人です。 害虫駆除の薬物を溶解する水 (ACによる滅菌水) の使用期限について, その使用期限の設定の根拠となる確認試験で, トリプトソイ寒天培地で培養しました。結果としては作製後 (保管環境は常温・密封下) 2週間でも細菌は確認されませんでしたが, 得意先から「液体培地を使って再度試験をして欲しい」との要望があり, 先方に聞くこともできず困っております。粉末のトリプトソイから寒天成分をろ過し, 液体とした後培養すればよいのか???と思っているのですが, それでよいのでしょうか??? そのときの濃度, 培養時間, 攪拌の有無, 判定の仕方なども合わせてお願いいたします。超初歩的な質問で恐縮です。 【回答】
このように理解してください。まず, すべての培地は当初, 液体培地だと・・・この培地を固形にしたい時に適量の寒天を加えるのだと・・・この逆のことは難しくて, できません。従って, トリプトソイ培地にも液体培地用の粉末があります。市販のトリプトソイ・ブロス (broth) の粉末を購入されることです。試験方法はいろいろ考えられます。2倍濃度のトリプトソイ・ブロス (溶解する水を半分にするか, 2倍量の粉末培地を加える) を調製, 滅菌し, これに等量の試験対象とする水を混和して培養するとか・・・液体培地で試験した時の弱点は, その試料に含まれていた細菌の濃度を定量できないことです。基本的に培養して濁ったか否かで判定する訳ですから, 試験した試料のなかに細菌がいたのか, いなかったのかが判定されます。 (琉球大学・山根 誠久) |