02/08/08
■ 焼菓子の保存検査で見つかる酵母
【質問】
 早速ですが, 焼菓子 (水分が多い商品で脱酸素剤有り) の保存検査を実施したのですが, 検査スタート日は酵母菌が陰性だったのに, 20日間の保存後に膨張してしまいました。保存温度は25℃と35℃で実施していましたが, 35℃のサンプルにすべて膨張が見られました。通常の真菌類だと25℃が最適温度と思われるのですが, 推定される酵母菌はどんなものでしょうか? また初日の検査で検出できないのはLAなんでしょうか?

・検体数はバラツキを考え, 各条件毎に5検体を実施しています。

・空中落下菌の酵母菌数は, 商品と同じ条件で, シャーレを開放して1〜5個でした。

・シロップ漬けの栗 (缶詰) を使用した商品ですが, その日に開封して使い切っております (検査結果も問題なし)

【回答】
 まずLAではありません。また陰性という結果は限度範囲が分かりませんので何ともいえません (陰性の定義: おそらく食品の場合, 食品そのままではなく希釈しています。たとえば100倍とか。そうするとグラムあたり100以下となり, “100個以下”が正確な結果となります)。

焼き菓子ですと細菌のBacillus, 酵母のSaccharomyces, Rhodotorula, Zygosaccharomycesなどです。特にBacillus, Saccharomycesあたりが危ないです。

(国立医薬品食品衛生研究所・高鳥 浩介)

[戻る]