04/06/17
■ 養殖用いけす水の細菌検査について
【質問】
 突然の質問で申し訳ありませんが, 魚を蓄養している「いけすの水」の細菌検査についてお伺いします。上水, 井戸水などの細菌試験法については成書に記載が見受けられるのですが, “いけす水”についての具体的な細菌検査項目およびその基準値は見当たりません。魚を泳がせておく水なので, 飲用水のように極端に清浄である必要はないと思いますが, 食用となる魚を入れているので, ある程度衛生的でないといけないとも思います。そこで目安となる項目およびその基準値あるいは目標値などがあるようならば, 御教授願いたいと存じます。

当方, 検査項目は一般細菌数, 大腸菌群, 腸炎ビブリオ, サルモネラ属菌を考えていますが, その適否もいかがなものでしょうか???

【回答】
 私もわからなかったので, 厚生労働省監視安全課および農林水産省栽培養殖課養殖漁場班へ電話して問い合わせました。しかし,「いけす」の水に関する衛生基準はわかりませんでした。「いけす」と一口に言いましても, 大小さまざまあるということで, 質問者の示している蓄養している「いけす」の意味を正確に伝えることができませんでした。ただ, 淡水・海水は地域によってさまざまなので, 各都道府県レベルで衛生基準を示している可能性があるということです。また, 鮮魚に関する食品衛生法や食品衛生検査指針なども調べましたが, 鮮魚における衛生規範はありませんでした。私からのアドバイスとして, “各都道府県または市町村または近くの保健所に直接尋ねる”ことをお勧めします。

 質問者の質問の真意を推測すると,「いけす」の水を如何に衛生的に保てば, 食中毒などを防ぐことができるかというようにも受け取れます。現在, 厚生労働省は中小企業の食品取り扱い店舗におけるHACCPシステムの導入を開始しています。ちなみに, 米国では水産食品からのリステリア食中毒が多発したため, 水産業をはじめ鮮魚取り扱い業などに対してHACCPシステムを数年前から導入しています。

(日水製薬・小高 秀正)


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