■ 輸血用血液製剤での針刺し事故 | |
【質問】
感染症がマイナスの患者が手術中に2単位の輸血を行いました。その翌日, その患者の点滴針で, かすった程度ですが, “針刺事故”を起こしました。輸血用の血液は当然感染症の検査がされていますが, いわゆる潜伏期間などで, B型やC型肝炎が検出されていない段階があると聞きます。このような場合, この血液を輸血された患者が一定の時間が経過してから肝炎を発生する可能性はあると考えますが, 上記の場合の針刺し事故の当事者が肝炎に感染する可能性はあるのでしょうか??? よろしくお願いします。 【回答】
このことから,貴方の施設で献血の輸血を受けた患者さんが何らかのウイルスに感染する可能性は,極めて, 極めて, 極めて低い確率と言えます。しかし0 (ゼロ) ではないところが悩ましいところです。しかしながら,その患者さんから針刺し事故でウイルス感染する可能性は, 患者さんが輸血によりウイルス感染する確率よりもさらに, さらに, さらに低くなります。今回の針刺し事故では,「点滴針がかすった程度」と言うことですから,量的に考えても, ウイルス感染の可能性はほとんどないと考えます。私なら, なにもしないで経過をみますが, 念のため, 針刺し事故の直後の自分の血液 (血清) を保存しておいてもらいます。 ウイルス核酸増幅検査の実施状況(1999年7月〜2003年9月) ・B型肝炎ウイルス・・・414件(約1件/50,000件)
日本赤十字社中央血液センター医薬情報部 (琉球大学・屋嘉比 静子) 大変親切かつ丁寧な回答ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。 |