03/11/19
■ 有効塩素と残留塩素の違い
【質問】
 私は液体調味料の製造会社で品質管理をしております。早速質問させていただきます。

 “有効塩素”と“残留塩素”の違いがわからないので教えてください。次亜塩素酸ナトリウムで製品を充填する機器などの殺菌を検討しております。宜しくお願い致します。

【回答】
 殺菌効力のある塩素系薬剤を“有効塩素”といいます。塩素系薬剤が水に溶解した時にできる次亜塩素酸 (HOCl) や次亜塩素酸イオン (OCl−) も有効塩素です。一方, 水に溶解した場合に塩化物イオン (Cl−) となるNaClなどの無機塩化物や有機化合物と結合した有機の塩素化合物の大半は反応性がないため, 有効塩素ではありません。

 有効塩素が水中で殺菌作用を起こしたり, 汚染物と反応したり, 紫外線の作用で分解した後に, なお残留している有効塩素を“残留塩素”といいます。残留塩素には, 遊離塩素と結合塩素があり, 次亜塩素酸 (HOCl) や次亜塩素酸イオン (OCl−) を遊離塩素と呼び, クロラミンを結合塩素と呼びます。遊離塩素, 遊離型塩素, 遊離有効塩素, 遊離残留塩素などの用語はすべて同じ意味で使われています。

 次亜塩素酸ナトリウム (Sodium Hypochlorite) は殺菌消毒剤として, 飲料水, 果実・野菜の消毒, 乳製品製造を始め, 各種食品の製造過程において装置, 器具などの消毒に広く用いられています。

(琉球大学・糸嶺 達)

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