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【質問】
初めてメールいたします。小児細菌性髄膜炎の患者さんにABPC (アンピシリン)
をカルバペネムとの併用で使用しました。B群レンサ球菌 (GBS) の薬剤感受性でABPC
(アンピシリン) が, 当院ではだいだい0.25μg/mlです。過去5年間の統計を見てみてもずっと0.25μg/mlで変化ありません。0.25μg/mlだとカテゴリーでも感性の上限です。GBSのABPCは自然耐性
(???) 的に少し高めなのでしょうか??? 教えてください。
【回答】
“GBSのABPCは自然耐性(???)的に少し高めなのでしょうか???”というご質問ですが,
具体的に同じ溶連菌のStreptococcus pyogenes (A群)と比較すると, Streptococcus
agalactiae (B群)のMIC値は確かに高めです。ABPCに限らずPCGにおいても同様の傾向が認められ,
個々の菌株や測定法によってばらつきはあると思いますが, 概ね2_4倍 (1管_2管)
程度S. agalactiaeのMIC値の方が高い傾向にあると思います。貴施設での分離菌のMIC値が0.25μg/mlであり,
感受性カテゴリーの上限にあるとのことですが, 文献的にみても多くの菌株のMICは0.25μg/ml以下に分布していますが,
被検菌株の90%を含むMIC90は0.125μg/mlであったという報告があります。また寒天平板希釈法を用いた別の検討では,
MIC値のピークが0.1μg/mlにあったという論文もあります。いずれにしてもカテゴリー的には感性領域にありますので,
“自然耐性”という言葉が適当かどうかはわかりませんが, 生まれもった性質として,
基本的なABPCに対するMIC値がS. pyogenes よりも少し高めであるということは言えると思います。
(公立玉名中央病院・永田 邦昭)
【質問者からのお礼】
お忙しい中, 詳しく回答していただきありがとうございました。文献などあったてみたのですが,
なかなかヒットしません。もう少し探してみたいと思います。またなにかありましたら,
相談させていただきたいと思います。ありがとうございました。
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