04/11/29
04/12/02
■ 血液培養採取時の注射針の取り替え
【質問】
 看護師をしております。血液培養の検体採取後のカルチャーボトルへの注入の際に, 注射針を替える施設と、替えなくてもよいという施設があります。どちらが良いのでしょうか???

【回答】
 皮膚を正しく消毒しても, 注射針を血管内に刺し入れることで, 3〜5%の頻度で皮膚の常在菌による一過性の菌血症が起こるとされています。その意味からすると, 皮膚を一度貫いた注射針を取り替えて, 新しい針でカルチャー・ボトルに血液を注入するというのは一見, 雑菌の混入を防ぐ上で有効のようにも思えます。しかし, どちらがよいという厳密な報告は見当たりません。注射針交換時の針刺し事故の発生, 注射針を2本使用する経費を勘案すると, 敢て注射針を取り替えることは勧めません。むしろ, 15〜30分間の間隔をおいて, 異なる2ケ所の血管から採血することで, 雑菌混入を防ぎ, 血液培養の陽性率を高める方法を勧めます。

(琉球大学・山根 誠久)
【質問者からのお礼】
 返信, 有難うございます。おっしゃる通り, リスクやコストも重要な要素として考慮する必要があるのだと思いました。さらに付け替えることで, 看護師のタッチコンタミネーションも考えられますし・・・。今後, 手技を見直す際の参考意見として活用させていただきます。ご丁寧な返信, 有難うございました。

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