06/12/19
■ BCPプレートカウント寒天培地の変色
【質問】
 私は食品メーカーで品質管理を行っております。弊社の商品から乳酸菌が大量に出ているというクレームが入り, その原因分析を行うべくBCPプレートカウント寒天培地を用いて製品の微生物検査およびラインの拭取り検査を行いました。その中で明らかに乳酸菌が出るであろうと思われる原料をよく用いる水で濡れている床の水を採取し, 微生物検査にかけました。定性試験であったため, 希釈せずに行ったためか, その日の夕方には培地が黄色く変色していましたので, やはりその箇所では乳酸菌 (少なくとも酸を出す菌) が検出されたのだと思いました。しかし2日後, その培地を見てみると, 培地が青く戻っていたのです (むしろ検査前よりも鮮やかな紫色でした)。また, 菌は数えられないほど出ておりましたが, 菌株の大きなものも多数出ていました。顕微鏡などで確認はまだしていませんが, “酵母”ではないかと考えています。採取した水ですが, 再度同じ場所で採取した水のpHはほぼ中性でしたので, 水のpHが低かったのではないと思われます。

 上記のような背景ですが, “一度黄色く変色した培地がもとの色に戻った”原因はなんなのでしょうか???

【回答】
 一度黄色くなった培地が元の色に戻ったとのこと。また, 48時間培養後は多数の菌が発育していたとのこと。

 培地色が黄色から青色に変化した理由は, 培地に発育した菌が, 培地成分のペプトンを分解して“アンモニア”を産生したことで, 培地のpHがアルカリに変化し, 培地色が青色になったと推察します。

(栄研器材・柳沼 健史)


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