■“ベロ毒素”産生試験の対象について | |
【質問】
はじめまして。●●市保健所で感染症を担当しております■■と申します。 いつも「質問箱」で勉強させていただいております。今回は「腸管出血性大腸菌」について質問させていただきたいと思います。 感染症法では, 患者さんの検便から腸管出血性大腸菌が分離・同定され, かつ, 分離された菌株のベロ毒素産生が「陽性」の場合のみ, 法律の対象となります。E. coli O159やE. coli O78といった一般的に腸管毒素原生大腸菌とされる大腸菌が“ベロ毒素”を産生することはあるのでしょうか??? E. coli O159やE. coli O78を検出したという報告が医療機関からあり, ベロ毒素産生試験が未実施の場合, ベロ毒素産生試験の実施まで医療機関に依頼すべきかどうか, ご教示いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。 【回答】
現実的な対応として, 血清型別の結果を優先するよりも , EHT 寒天培地などで enterohemolysin 産生性 E. coli については VT の産生試験を実施する方法が妥当であり, 従来の血清型別 (O 抗原のみ) による下痢原性 E. coli のカテゴリーを判断すべきではないと考えます。 ちなみにデンカ生研の混合 1 に含まれているE. coli O128 は Manual of Clinical Microbiolgy (8版)によれば O128: H7 は ETEC の outbreak 関連 serotype, O128: H2 は outbreak に関連したEPEC の serotype として, O128: H12 は EPEC として, さらに O128: HNM, O128: H2, O128: H45 は VT 産生株が存在することが記載されています。 (極東製薬工業・江成 博)
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