05/02/10
05/02/23
■ ベトナムでの大腸菌群検査
【質問】
 大腸菌群の検査手法について教えて下さい。

 先日ベトナムの工場にいったとき, 現地のQCが下記のような検査を行っていたのですが, この検査方法で大腸菌群の判別はつくのでしょうか???

(1) 10倍希釈液をシャーレに分注
(2) トリプトソイ培地 (TSA培地) を注入し, よく混釈する
(3) 固まったらVRB培地を重層する
(4) 35℃, 24±4時間培養する。

 VRB培地のみの使用についてはありますが, TSA培地を併用するような形での大腸菌群検査ははじめてでしたので, この検査自体の正当性がわかりませんでした。

 また, 現地では“NMKL”という検査機関の手法を用いているということですが, この機関はどのような機関なのかをご存知でしたら教えて下さい。

【回答】
 “NMKL”は1947年, 北欧諸国 (デンマ_ク, フィンランド, アイスランド, ノルウェー、スエ_デン) において, 食品分析全般 (微生物, 化学物質など) の分析法の統一を目的として組織されました。この組織は, 欧州のCEN (Comite Europeen de Normalisation), フランスのAFNOR (Association Fran_ais Normal), 米国のAOACと同じような活動をしています。毎年行われるAOACの年次大会には, 分析法の評価に関する演題を多数出しています (今年は米国, フロリダ州オ_ランドで開催されます)。2005年に行われる愛知万博の中の北欧パビリオンへ行かれる機会がありましたら, NMKL, NordVal. NORDENについて質問されるとよく理解できると思います。

 大腸菌群の検査方法ですが, この方法は損傷菌を考慮した方法です。FDAもこの方法を取り入れています。NMKLの方法を正確に書きますと, 45℃まで冷ましたTSA培地5 mlで良く混釈し, 20〜25℃で1〜2時間培養します。その後, 45℃のVRBA 10〜15 mlを重層し (この時の培地層の厚さの比が2:1になる), 37℃で24時間培養します。培養後, 疑わしいコロニ-を釣菌し, BGLBでのガス産生などにより大腸菌群と判断し, コロニ_数から汚染菌量を算出します。下記のインタ_ネット・アドレスも是非ご参照ください。

http://www.norden.org/livsm/sk/Rapprt_NMKL_No_44_125.pdf

(日水製薬・小高 秀正)


【質問者からのお礼】
 ご連絡が遅くなり大変申し訳ありませんでした。質問に対する丁寧な回答大変ありがとうございました。ある登録検査機関の方に伺ってもわからず, どう判断してよいものか迷っておりました。また回答頂きながら, 御礼が遅れたことお詫び申し上げます。


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