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【質問】
調味料製造を行っている工場で品質管理を担当しています。BGLB培地で大腸菌群の検査を行ったところ,
培地の上部がピンク色に変色しました。ガスは発生していません。この検査結果は「陰性」としてよいのでしょうか???
また, 変色している原因は何でしょうか???
ちなみに, 検査対象サンプルには赤い色をした物は含まれていません。宜しくお願いします。
【回答】
まず, BGLB培地で「ガス陰性」なら, “大腸菌群陰性と判断しても間違いではありません”。ただ,
質問者の情報からだけでは, 変色の原因が推測できません。もう少し具体的に,
検体の種類, 接種方法, 培養温度, 培養時間, 培地の濁りの有無などが質問に書かれていれば分かるかもしれません。
(日水製薬・小高 秀正)
【追加質問】
ありがとうございました。検査の詳細を申しますとつぎの通りです。
・検体の種類は肉エキス (粉末)
・培養条件は35℃, 48時間
・培地の濁りはあります。
このような条件ですが, 原因はわかるでしょうか??? 宜しくお願いします。
【回答】
追加情報ありがとうございました。回答者もBGLBに肉エキスを入れて見ましたが,
やはり原因はわかりませんでしたが, 次の3点を推測しました。(1) 培地の濁りがあるということは,
微生物の発育があったと考えられます。BGLB培地は, 胆汁酸とブリリアントグリ−ンでグラム陽性菌の発育を抑制します。48時間培養ということは,
真菌や放線菌の発育は考えにくいです。このようなことから, グラム陰性菌で赤色色素を産生する菌種,
例えばSerratia marcescensやPseudomonas aeruginosaの存在。(2)
肉エキス中のトリプトファンと細菌によって作られたアルデヒド化合物が反応して発色した可能性。(3)
ブリリアントグリ−ンの細菌酵素による分解およびフェニレンジアミン (o-体:
空気中で徐々に赤く着色する) の形成。いずれにせよ, 細菌を分離して同定してください。その後,
BGLBに肉エキスを入れて, その分離した細菌を接種し, 35℃, 48時間後に同様な現象が認められた場合,
その細菌が原因のひとつになっていると考えられます。
(日水製薬・小高 秀正)
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