04/12/14
04/12/17
■ 黄色ブドウ球菌の培地について
【質問】
 ご質問いたします。現在中国で食品工場で品質管理をしております。

(1) ここでは黄色ブドウ球菌の検査で「Baird Parker Agar Base」という培地を使用しております。これは一般的なものなのでしょうか???

(2) また上記の培地で黒色コロニーがでてきたら, それを「Phenol Red Dextrose Broth」という液体培地に移し変えて“確認検査”を実施しております。これらの検査法では黄色ブドウ球菌の検出率は何%位でしょうか???

【回答】
(1) “Baird Parker Agar Base”は一般的なものなのでしょうか???

 一般的です。1リットル組成で培地を作製するときは, 950 mlの精製水で培地を溶解し, 121℃, 15分間のオ_トクレ_ブ滅菌の後, 45〜50℃まで冷やし, さらに50 mlの卵黄加テルライト溶液を加え, 攪拌し, シャ_レに分注します。卵黄反応陽性の黒色_鼠色のコロニ-を釣菌し, コアグラ_ゼ反応やグラム染色などを行い, 黄色ブドウ球菌と判定します。

(2) 黒色コロニーを“Phenol Red Dextrose Broth”で確認検査しております。この検査法では黄色ブドウ球菌の検出率は何%位でしょうか???

 Baird Parker Agarの検出率は食品によってまちまちなのでわかりません。参考までに, Baird Parker Agarには黄色ブドウ球菌以外の球菌やProteus属の細菌が発育し, 黒色のコロニ-を形成することがあります。さらに, 黄色ブドウ球菌以外のブドウ球菌やProteus属の細菌はブドウ糖 (dextrose) を分解して酸を産生します。

(日水製薬・小高 秀正)

【追加質問】
 ご回答ありがとうございました。追加で申し訳ありませんが, 下記質問いたします。

日本での食品工場では, 品質管理として黄色ブドウ球菌の検査ではマンニット食塩培地を使用するのが一般的だと思うのですが, “Barid Parker Agar Base”と比較すると, どちらが“適正”なのでしょうか???

【回答】
 2004年6月30日に発行された食品衛生検査指針によると, 国内ではマンニット食塩卵黄寒天培地および食塩卵黄寒天培地が広く用いられ, 外国では“Barid Parker Agar培地 (卵黄添加)”が汎用されていると記載されています。もし可能なら, 2種類以上の選択培地を用いて検査することをお勧めします。

(日水製薬・小高 秀正)


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