06/03/15
06/03/16
■ 分散剤の調製方法について
【質問】
 いつも勉強させていただいております。私は大学の研究補助をしていますが, セルロース分解性のClostridium属細菌の冷凍保存をする際に「スキムミルク」を分散剤として用いようと考えています。しかし, スキムミルクを10〜15%で緩衝液に溶かし, オートクレーブ (110℃, 15 min) したところ凝固してしまいました。そのまま置いておくと沈殿物と上澄みに分かれています。

(1) 調整方法に問題があるのでしょうか???
(2) この凝固したスキムミルク分散液は使用できないのでしょうか???
(3) スキムミルクの濃度を高くして, それを菌液 (緩衝液に浮遊) に終濃度10%で添加するという方法はできないのでしょうか??? (スキムミルクは濃くすると水に分散しにくいように見えました)

どうぞ宜しくお願いします。

【回答】
 スキムミルク液の作り方の手順と注意点は以下のようです。

(1) 200 ml メヂウム瓶に50〜100 ml程度 (一度にたくさん作らない) の量を作るようにする。
(2) スキムミルクの溶解には蒸留水を使う。古いスキムミルクは使わない。最高濃度20%までで, 15%濃度ならほとんど失敗はしない。
(3) マグネチック・スターラーを用いて, 常温で溶解させる。
(4) オートクレーブ (110〜115℃, 15分) で滅菌する。
(5) オートクレーブ処理が終わったら, 水に浸けて, 早めに冷やすようにする。室温に放置 (空冷) しない。
(6) 2 ml程度の滅菌した容器 (セラムチューブなど) に適量 (0.5 ml〜1.5 ml) を無菌的に分注して冷蔵保存する。

 私達は凝固したものは使いません。

(岐阜大学・渡邉 邦友)

【質問者からのお礼】
 回答いただきましてありがとうございました。オートクレーブ処理後, 室温に放置して冷却していましたので, それがいけなかったように思います。早速, 教えていたいただいたように作成し直したいと思います。本当にありがとうごました。


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