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【質問】
いつもお世話になります。「質問箱」でいろいろ勉強させていただいています。
非結核性抗酸菌の薬剤感受性試験について教えて下さい。非結核性抗酸菌症に対して,
日本ではCAM 600〜800 mg/日が併用されるようですが, これで非結核性抗酸菌のすべては感性なのでしょうか???
非結核性抗酸菌に対するCAMの耐性基準は示されていないのですが, 薬剤感受性試験は必須ではないのでしょうか???
CAMの非結核性抗酸菌に対する耐性基準またはブレイクポイントが設定されていれば,
設定値を教えて下さい。
【回答】
非定型抗酸菌に対するクラリスロマイシン (CAM) のブレイクポイントは現在のところ設定されていませんが,
ある目安として微量液体希釈法でのMICが32 μg/ml以上を「耐性」と判定することもあるようです。CAMはMACの治療薬として使用されることが多いようですが,
単独で使用されることはなく, CAMを主薬として2〜3剤の併用で使用されます。また,
MAC以外の非定型抗酸菌に対してもCAMは有効と言われています。しかし現時点では,
非定型抗酸菌に対する保険適用がありません。
(愛媛大学・宮本 仁志)
【追加質問】
お返事ありがとうございました。非結核性抗酸菌が検出されたら, 自動的にCAMの感受性試験を追加しようかとも考えていたのですが,
その必要はないのでしょうか??? 当院では外注で実施しています。
【回答】
非定型抗酸菌に対してクラリスロマイシン (CAM) が単独で使用されることはないと思います。例えばMAC症の治療では,
(CAM, AZMから1種類)+EB+(CPFX, SPFX, AMK, RPFから2種類)の組み合わせが使用されます。その点を踏まえて,
薬剤感受性試験が必要であるか否かは, その施設の判断で決定されることをお勧めします。
(愛媛大学・宮本 仁志)
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