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【質問】
こんにちは。いつも参考にさせていただいております。私は豆腐製造会社で品質管理を担当しております■■と申します。日常業務のなかで,
充填豆腐の細菌検査をしています。一般細菌, 大腸菌, セレウス菌の検査をしていますが,
この際特に, 一般細菌の試験のコロニーカウントで苦労しています。試験方法は,
シャーレに豆腐を1 ml播種し, 約50℃に保った標準寒天培地 (関東化学) を試料と混釈しています。37℃,
48時間培養後, “寒天表面”に生えているコロニーのみをカウントしています。
培養後に, 寒天内部と表面にコロニーが見られる場合があります。一般細菌は,
好気的な条件で発育した中温性の細菌であるため, 寒天培地内部に存在するコロニーは数えてはならないのでしょうか???
(寒天内部には酸素がないため,
一般細菌は生育できないと考えました)。寒天表面のコロニーだけをカウントする方法で正しいのでしょうか???
実際の写真も参考のため添付します。真上から撮影したものと, 斜めから撮影したものです。よろしくお願いいたします。
【回答】
寒天内部に存在するコロニーも数えてください。寒天内部にも酸素
(溶存酸素) が含まれています。また, 日常的に検出される細菌は通性嫌気性細菌が多いため,
嫌気的環境でも, 好気的環境でも増殖可能です。一般細菌数は,
培地に増殖したすべての菌数を数えます。この場合, 培地に増殖したコロニー数が30個〜300個の培地を選ぶため,
希釈操作が必要です。写真からは, 培地に増殖している菌数はかなり多いと感じました。「シャーレに豆腐を1
ml」という意味がわかりませんが, 豆腐の10倍, 100倍, 1,000倍の希釈液で混釈培養をやってみてください。そうすれば,
コロニー数が30個〜300個増殖する培地を得ることが出来ると考えます。
(日水製薬・小高 秀正)
【質問者からのお礼】
「標準寒天培地におけるコロニーカウント法」を質問させていただいた■■です。迅速なご回答をありがとうございました。個々で違う判定をしていた時期もあったので
(本来, 判定基準は統一されなければならないのですが・・・), 大変助かりました。また,
質問文中の「豆腐1 ml」の表現がわかりづらかったようで申しわけありません。これは,
“ガラスピペットを用いて豆腐を1 ml分吸引してシャーレに播種している”という意味です。今後も参考にさせていただこうと思います。
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