06/10/27
■ クリプトコッカスの特異染色
【質問】
 私は●●病院に勤務して三年目の臨床検査技師です。現在病理部門で働いています。微生物について知識が不十分な為, 今回質問させていただきたいと思います。

 呼吸器系 (気管支洗浄液や喀痰) の材料で, 組織球に貪食されたものがクリプトコッカスと証明したいのですが, クリプトコッカスを特異的に染める免疫染色などご存知でしたら教えてください。何かの資料かアトラスのような本で蛍光抗体法などで染まっていたと思うのですが・・・・ニチレイに電話したのですが, ないと言われてしまいました。

 わかりずらい質問で申し訳ありません。お忙しいと思いますが, どうぞ宜しくお願いします。

【回答】
 組織内の真菌を染色する方法としてグロコット染色, PAS染色, グリドリー染色, ムチカルミン染色が知られています。クリプトコッカスは莢膜が多糖体ですので, この成分を染色することで証明しているのが一般的です。とくにムチカルミン染色が最も適している方法で広く使用されています。免疫染色の場合は間接蛍光抗体法が使用されると思いますが, 特異抗血清と蛍光顕微鏡が必要で操作は煩雑であるなど, 現在は使用されていません。

〔参考文献〕
藤田正志, 直江史郎: クリプトコックスの染色法?ムチカルミン染色?, 新染色法のすべて, Medical Technology別冊, 107, 1999

(愛媛大学・村瀬 光春)


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