05/07/15
■ 大腸菌および大腸菌群の検査について
【質問】
 食品会社で微生物検査を担当しています。大腸菌および大腸菌群検査について質問があります。デゾキシコレート培地 (DO培地) で検査し“陽性反応”, 次いでEMB培地に画線塗抹し“陽性反応”, さらに乳糖ブイヨン培地で“陽性反応”という結果が得られました。EMB培地に発育した菌は大きなコロニーを形成し, 赤褐色で中心部が黒色で光沢ありでした。乳糖ブイヨンは24時間で乳糖を分解し, 48時間でガスをわずかに産出しました。これらの結果から:

(1) 大腸菌群・「陽性」と判定するのは間違っているでしょうか??? (グラム染色, IMVIC試験で判定する???)

(2) 菌の同定 (属レベル) を行いたいのですが, 簡便な検査方法がありますでしょうか???

【回答】
(1) 質問者も書いているように, グラム染色をしてグラム陰性桿菌であれば“大腸菌群”「陽性」と判定するのは間違っていないと考えます。さらにIMVIC試験によりその菌が“大腸菌群”に属する菌種であることを確認して下さい。

(2) IMVIC試験で“大腸菌群菌”であることが確認できたら, 念のためオキシダ_ゼ試験をします。オキシダ_ゼ陰性であれば, 一層“大腸菌群”である確率が高くなります。その後で各種の簡易同定キット (EB-20, API20Eなど) で菌種の同定をします。

(日水製薬・小高 秀正)


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