■ 大腸菌の酵素基質培地 | |
【質問】
初めまして。私は食肉会社で品質管理をやっており, 今後自主検査を行うに当たって, 現在, 細菌の検査法について試行錯誤しております。 早速質問なのですが, 大腸菌群とE. coliについて酵素基質培地を用いた場合はその一つの培地で双方の判定が可能なのでしょうか??? また, 増菌培養は必要なのでしょうか??? コストと手間の関係から, 平板混釈法による細菌検査を基本と考えているのですが, 私の勤める会社では, 私以外に細菌検査の経験のある人間がいない為, 可能な限り簡易な方法で行いたいと思っております。また, 私自身も以前, 牛乳会社の品質管理をやっていたことから, 一般生菌 (標準寒天培地) と大腸菌群 (デソコシキレート培地) の検査程度しか経験していません。 さらにO157に関しても同様に酵素基質培地があるようですが, これに関しても平板混釈法で判定できるものなのでしょうか??? 初歩的な質問で申し訳ありませんが, よろしくお願い致します。 【回答】
(1) 大腸菌群の指標となるβ-ガラクトシダ_ゼと大腸菌の指標となるβ-グルクロニダ_ゼを検出できる試薬が入っている酵素基質培地でれば, 双方の判定が可能です。 (2) 寒天培地と同様に, 混釈培養します。汚染菌が少ない時には, ブイヨン培地によるMPN法により菌数を算定します。 (3) 大腸菌O157の検査は, 公定法 (衛食第207号・衛乳第199号) があります。ノボビオシン加mEC培地で選択増菌後, CT-SMAC寒天培地および酵素基質培地に画線塗抹します (混釈培養ではありません)。選択増菌培養後に免疫磁気ビ_ズで集菌後, 画線塗抹する方法もあります。 (日水製薬・小高 秀正)
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