05/09/09
05/09/15
■ デスオキシコーレイト培地の調製について
【質問】
 以前にもメールを遅らせていただきました。その際はご回答ありがとうございました。再び, 質問があります。水質の調査を大学で行っており, 大腸菌と一般細菌の測定をしています。大腸菌群の測定の際に, 市販のデスオキシコーレイト培地を使用しています。普通寒天培地に関してはオートクレーブで滅菌しますが・・・

(1) デスオキシコーレイト粉末培地は「加温溶解する」としか記入されていません。どの程度まで温度を上げるべきなのでしょうか。余計な加温を避けたほうがよいと聞きますが・・・

(2) 「加温溶解する」だけで滅菌できているか心配です。何故, 「加温溶解」だけで, 充分なのでしょうか。

 初歩的な質問かもしれませんが, お答をお願いします。

【回答】
(1)「加温溶解」は寒天を溶解させるため100℃で行い, 通常は蒸し器などで行います。過度の加温は培地性能を低下させるため, 15分から30分程度にします。ただし調製容量により溶解時間は異なりますので10_15分毎に噴きこぼれないようにゆっくり撹拌させながら溶解性を確認することが必要です。

(2) 加温溶解して使用する培地には, 大腸菌群用として乳糖ブイヨン培地やデゾキシコレート寒天培地などがあり, これら加温溶解して調製する培地では選択性が強化されています。これらの粉末培地や使用する器具および水は無菌ではなく, 雑菌も少なくありません。しかし加温溶解 (100℃, 15分_30分) により含まれる雑菌は概ね消失し, かつ培地のもつ強い選択性により雑菌の発育が抑制されています。決して加温溶解により滅菌しているわけではありません。そのため, 加温溶解した培地を長期間保存しておくと稀に雑菌が発育してくることがありますので, 加温溶解後はなるべく保存せずに使用することをお勧めします。

(日水製薬・三品正俊)
【質問者からのお礼】 
 お忙しい中, 御回答ありがとうございました。これで実験がスムーズに行っていくことができます。本当にありがとうございました。

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