06/01/30
■ デソキシコレート寒天培地の“もや”
【質問】
 はじめまして。自社工場の製品を食品検査している者です。魚介類の練り製品や生鮮品を扱っています。検査室を立ち上げて8ヶ月になります。

 大腸菌群の10倍・100倍希釈のシャーレを判定する際に, 10倍希釈のデソキシコレート寒天培地のシャーレ表面が, 全体的に“もや”がかかった状態になってしまっている時があります。これは, 試料液の混釈方法がよくないからでしょうか??? “8”の字を書くようにシャーレを回すとシャーレの縁に培地が付いてしまうので, 左右5回ずつ回しています。試料液が培地とよくなじむためにはどのような混釈方法が望ましいのでしょうか??? また, “もや”がかかる原因が他に考えられますでしょうか??? よろしくお願い致します。

【回答】
 “もや”がかかった状態とは, 培地が濁って透明感がなくなってしまうことなのでしょうか??? その場合には, 低い希釈段階では検査試料自体の濁りが培地に被さり透明感がなくなったものと思われます。また, “もや”がかかった状態とは薄い赤色の広がりのことでしょうか??? その場合には, 運動性のある大腸菌群が発育段階に培地とシャーレの境目のところから遊走してしまう結果から生じることがあります。菌塊がシャーレ面に密着する際に比較的起こりやすい現象のため, 培地全体に試料をなじませるように十分混釈を行う必要があるかと思います。培地を注ぐ際に, 軽くシャーレを揺すりながら試料と培地をなじませるとよいかと思います。

(日水製薬・三品 正俊)


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