06/08/02
■ デオキシコレート寒天培地について
【質問】
 こんにちは。短大で食物栄養を学んでいる学生です。今日, 授業で食品衛生学実験を行い, 勉強中です。

 先日, 食品中の大腸菌群を調べる実験があり, “デオキシコレート寒天培地”を使用しました。この時, まずシャーレに培地を蒔き, 次に検液をのせ, さらに培地を乗せて混和しました。初歩的な質問で申し訳ありません。“培地を先に蒔く理由”がよくわかりません。教科書などで探しているのですが, 載っていません。お忙しいときに申し訳ありませんが, 理由を教えていただければ幸いです。

【回答】
 食品中の大腸菌群を“デオキシコレート寒天培地”混釈培養により確認する際に, (1) 培地を蒔き, (2) 検液をのせ, (3) 培地を乗せて混釈した。質問は, この(1)の理由ということですが, (1) については培地を蒔いて“固めた”と理解しました。すなわち予め少量の培地をシャーレに分注して固めた後に, 検体および培地を分注して, 予め固化した培地上で混釈培養をした・・・その際に予め培地を蒔いた理由を知りたいとの質問です。

 一般的な混釈培養では, シャーレに検体を分注し, その後に培地を分注して混釈培養します。一方, 一般的な混釈培養をした場合, 培地底面とシャーレとの間の菌が遊走して底面一杯に広がるということを経験することがあります。予め少量の培地を蒔いて固化させて混釈培養すると, シャーレ底面の遊走菌を抑制するという情報もあります。一般的な混釈培養の課題を解消するための知恵ではないかと考えております。質問者の担当教官もそのような経験から“培地を先に蒔いて”いるのかもしれません。担当教官へ直接尋ねることを第一に勧めます。

(日水製薬・三品 正俊)


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