06/05/09
06/05/16
■ 「食品衛生法」による成分規格について
【質問】
 初めまして。食品メーカーにて製品検査の担当のものです。大変初歩的な質問ですが, よろしくお願いします。

「食品衛生法」に定められている食品の細菌学的成分規格一覧の記載方法についてどのように解釈したらよいか分かりません。例えば, 加熱後摂取冷凍食品のE. coilの規格が「陰性/0.01 g」と書かれています。これは, “検体0.01 gramを検査した結果でE. coilが陰性であれば規格に適合している”ということだと思います。そこで, もし検体1 gramで検査した場合, E. coilが検出されたら規格外ということになるのでしょうか??? それとも“100”までなら規格に適合しているということになるのでしょうか??? 規格を正しく解釈しないと判断に誤りが生じる可能性があるので, 何卒宜しくお願いします。

【回答】
 平成18年版食品衛生小六法を参考にして回答します。加熱後摂取冷凍食品には,「凍結直前に加熱されたもの」と「凍結直前に加熱されたもの以外のもの」で成分規格が違います。前者は検体1 gramにつき生菌数が100,000以下, 大腸菌群が陰性で, 後者は検体1 gramにつき生菌数が3,000,000以下で, E. coliが陰性です。以上のことより, 検体1 gramで検査した場合, E. coilが検出されたら規格外になります。参考までにE. coliの試験法はE.C.発酵管を用いて行います。

(日水製薬・小高 秀正)
【追加質問】
 早速のご返答ありがとうございます。もう1つ質問してよろしいでしょうか??? 前回と同じよう質問内容になりますが, 宜しくお願いします。
書籍により, 規格値が「陰性/0.01 gram」と記載されている項目があります。例えば, サンプング量が1 gramの時の検査結果が1 gramあたり「100」と得られた場合は, どのように判断したらよろしいでしょうか??? 上手くまとめられないのですが, “規格値のサンプリング量と実際の検査でのサンプリング量が異なる場合”における規格値を用いた判断の方法や注意点を教えてください。大変初歩的な質問ですが, 宜しくお願いします。

【回答】
 食品衛生法の規格値を参考にするのなら, 食品衛生法に示されている検体の採取および試料の調整などに従わなくてはなりません。サンプリング量が違っている場合は, 検査のやり直しが必要です。検査工程が間違っていて, 得られた結果を何とか正当化しようとする考え方は大変危険です。質問者は食品メーカーにて製品検査の担当をしているということなので, 社内に記載されている検査法に則って検査している筈です。規格値が「陰性/0.01 gram」と記載されているという意味は, 検体25 gramを225 mlの滅菌リン酸緩衝液希釈水でホモジナイズし, その10mlを滅菌リン酸緩衝希釈水90mlに加え試料原液とするからです。E.coliの試験は3本のEC培地 (発酵管入り) へそれぞれ試料原液1ml (0.01 gram) 接種して (増菌培養), 調べます。この時に陰性であれば「陰性/0.01 gram」ということになります。質問者の会社は伝統がありますので, 社内で規格値の考え方がある筈です。上司とよく相談してください。一番大事な考え方は, 消費者に安全な食品を提供するということです。

(日水製薬・小高 秀正)

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