■ 粉末食品の微生物検査 | |
【質問】
食品会社で品質管理を担当していると●●と申します。粉末食品の微生物検査について, 質問させてください。 毎日, 乳製品の粉末を包装している工場から製品を貰ってきて, 微生物検査をしています。粉末を10グラム取り, 10%溶液にして大腸菌群 (1 mlをデソキシコレート培地に接種) の検査を行っているのですが, 検査結果が規格外 (デソ培地上にコロニーが数十個で, EMBに植え, LBで陽性) になったのに, 再び検査し直すとまったく問題なくなったり (デソ培地で陰性) することがあります。文献などから, 粉末食品の微生物検査にはあまり再現性がないということを知りましたが, 粉末食品で局所的に大腸菌群がいると考えることはできるのでしょうか。同じひとつの袋からサンプリングしているのに, 最初の10 gramでは大腸菌群「陽性」で, その後2回も3回も再検査して, それが全部「陰性」だった場合, 結果をどう捉えればよいのでしょうか。社内では, 初回検査の結果が“誤り”であるとされ, 微生物検査の操作中にコンタミしていると決められてしまいます。しかし, 同時に検査している他の製品やブランク (対照) で問題がないことや, 問題のなかった粉末食品を, 工場の中でもある特定の場所で包装すると頻繁に大腸菌群が「陽性」になり, その場所の充填機の拭き取り検査でも毎回大腸菌群が「陽性」になることから, 充填機の一部分が洗浄や乾燥の不徹底により大腸菌群「陽性」で, そこを通って出てきた粉末食品が汚染を受けたと考えているのです。 最初の質問に戻りますが, 粉末食品で“局所的に大腸菌群が「陽性」になる”ということはあるのでしょうか。お考えをお聞かせください。よろしくお願いいたします。 【回答】
(日水製薬・小高 秀正)
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