05/07/25
■ 粉末培地の“加温溶解”
【質問】
 お忙しいところ御覧いただき有難うございます。今度, 製薬工場で微生物検査を担当することになりました。そこでご質問ですが, 色々な培地の調製方法でよく「粉末培地と精製水を加温溶解し, 高圧蒸気滅菌する」となっているのですが,「加温溶解」の条件の定義などはあるのでしょうか??? 高圧蒸気滅菌に関しては温度や時間の明記があるのですが, 加温溶解については特に何も書いてありません。使用する器具や温度条件などございましたら御指導いただきたく存じます。よろしくお願いいたします。

【回答】
 培地を製造するメーカーが慣習的に記載しているきらいのある言葉です。常識的には, “高圧滅菌をする前に, 粉末の培地を充分に精製水で溶解してください”という意味に認識されればよいと思います。最近の市販されている粉末培地は改良され, 粉末培地と水を単に混和したものを高圧滅菌すれば, 溶解して均一な品質をもつ培地が出来上がるようになっています。ただ, ガラス瓶の底に粉末培地が厚く盛られ, 加えた精製水が底の粉末にまで達しないまま高圧滅菌しますと, 乾いた粉末のままで高温状態になります。ガラス瓶の底は全面, 水で濡れていることを高圧滅菌の前に確認してください。また, 培地の組成によっては, 高圧滅菌の条件だけでは充分に溶解しない成分が添加されている場合もあるでしょう。事前に組成を確認しておくことです。

(琉球大学・山根 誠久)


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