05/05/31
■ “偽膜性腸炎”と診断された看護師の病院勤務
【質問】
 はじめまして。病院で勤務しています看護師です。「偽膜性腸炎」と診断を受けた看護師がいますが, 勤務は続けてもいいのでしょうか??? もちろん, 排便後の手洗いはきちんとすることを条件にしますが・・・診断がついた時点で, 医師からは診断書が出ませんでした。院内感染委員会としての基準として検討したいのでよろしくお願いいたします。

【回答】
 偽膜性大腸炎は, 内視鏡や剖検で腸管に偽膜形成が認められた場合に診断される“病理学的な診断名”で, 本当に偽膜形成が認められたのであればClostridium difficile関連下痢症/腸炎のなかでも比較的重篤な消化管症状だったと推察されます。ですので, まず下痢や腹痛などの消化管症状がある時期は, (院内感染云々の話以前に) 勤務は難しいと思います。症状が回復すれば, 勤務は可能と思います。また, C. difficile下痢症/腸炎は, 健康な方において突然発症することはなく, 抗菌薬や抗がん薬などの使用を含むリスクファクターがある方においてC. difficileが消化管定着したり下痢症/腸炎を発症したりすることが多いので, この看護師さんが偽膜性大腸炎を発症した臨床背景が何だったのかを調べて, そのリスクファクターを取り除くことが必要になります。

(国立感染研・加藤 はる)


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