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【質問】
一度こちらで質問をさせていただいた者です。質問は, グラム染色での対比染色についてなのですが,
この対比染色液としてフクシン水溶液とサフラニン水溶液の2種類があると思いますが,
この2種類を使い分けることで何かメリットがあるのでしょうか??? それとも特に理由はないのでしょうか???
もし何かメリットやデメリットがあるようでしたら教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【回答】
グラム染色で利用する対比染色液はサフラニン水溶液とフクシン水溶液
(多くはパイフェル液) の2種類がほとんどですね。どちらを用いても大差はなく,
“好みの問題”だと思います。即ち, やわらかな印象を与えるサフラニン液を好む方や鮮やかさを重視される方もいます。さらにふたつの色素共に原材料精度,
希釈濃度, 染色時間によって染まり具合が変わりますし, 検査材料の種類 (喀痰や膿などのように濃厚な検体もあれば,
水様性でカバーグラスに固定しにくい検体もある) によっても鏡検時の印象が随分異なります。ただし,
一般論として言えることはCampylobacter属, Haemophilus属, Legionella属などは難染色性菌として知られ,
サフラニン液ではうまく染まらないこともしばしばです。故に, これらの菌種の存在が予想される検体の染色にはフクシン液の利用を薦めています。いろいろな検体や細菌を用いて両者を試してみてはいかがでしょうか。
(大手前病院・山中 喜代治)
【質問者からのお礼】
判りやすい回答でした。とてもありがとうございます。両方試してみて,
自分にとって見やすい染色液を選びたいと思います。
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